ガゼボの使い方
ドーム型の構造物とは内側の面と外側の面と二通りに楽しめる仕立てです。基本になるのは内側のドーム型を形作る枝の誘引方法です。中に入ると視線は自然と上に向きます。ドーム内側の曲面は人の入る空間ですから凹凸の無いようにきれいに枝を誘引する必要が有ります。ドームを形成する支柱は枝を支える基点と考えてください。曲面を形成するつるバラの枝は常に曲線を描かなければならず、内に入る人は常にカーブした枝の線を眺めることとなるのです。人に圧迫感を与える事が最も避けたいことで、そのためにも内側の曲面はふくらみを持った温かみを感じさせる空間が求められるのです。
枝は元々曲線を持って生まれています。枝自身が持っている曲線を上手に活かして誘引をすると美しい曲面を作ることができます。視覚的な面での応用が求められる場合が多く、枝の向きをひっくり返したり逆へ振ったりと様々なことを試します。
ではドーム型に適した品種を樹形的な面から考えます。第一条件として、枝は伸びる長さと枝自体の強度を必要とします。支柱間の距離が大きいため枝に強さがないときれいに曲面の線を描けないのです。最も大切な内側の空間作りがきれいにできないのです。
支柱と支柱の間を強い枝で補い形を作る構造をになっています。強い枝が下地となり細い枝を誘引する手がかりとします。このため太枝性もしくは枝の強さを持つ品種を全体を形作る基本的な品種とします。
つるアイスバーグやつるサマースノー、プロスペリティー等が基本的な品種として優れています。複数の品種を組み合わせて楽しむ事が基本。白色品種を基本に据え組み合わせに制約を受けないように勤めます。つるピースやつるオフェーリア、つるピンク シフォン等の柔らかな色彩を持つ品種も使いやすそうです。多少枝が細くても枝が良く伸び、枝分れの多い品種も基本種として可能性があります。つるセシル ブルンネやつるレディー ヒリンドン、枝が細く一瞬迷いますがつるセシル ブルンネは圧巻の見応えでしょう。また枝が伸びすぎ手に負えなくなったシュラブローズ(なんだろぅ)も本来はこの様な仕立てに使えます。
いつも夢見るのは白い花の下側にピンクとか紫の花でフリルの様なアクセントを付けられないかな。白から徐々に濃い色へとグラデーションが入り裾を締める様な品種の使い方、咲かせ方ができたら、なんと素晴らしいんでしょう。つるアイスバーグやマダム プランティエ、忘れてならないロサ ムルティフロラなど白色花を基本に使うのはこんな夢を見ているからです。いまだかつて見たこともやったこともありません。でも多分出来ると思うんです。
一品種で決めるなら小枝の多い品種。キュー ランブラーやフィリス バイド、これは伸びすぎて困るが得難い存在である品種ランブリング レクターなどでしょう。キュー ランブラーは高く伸びた枝から小枝が出て下垂し、これに花を咲かせます。他の 2 品種も同じですがすっぽりと覆いつくされる様は特徴的な雰囲気となります。伸びすぎて手を付けられぬ状態に至ったなにわいばらもドーム等を活用して枝を一旦上に押し上げることで良好な花付とすっきりとした場所使いを実現することが出来ます。
ドーム仕立ての裾部分に使う品種のお勧めはオールドローズです。香りが良く枝も伸びすぎず細枝性で魅力に富む品種が多く、正にうってつけなのです。今まで憬れても使いこなせなかった品種はトレリスかドーム形ガゼボで結果を残すことが出来ると思います。