オールドローズとは

オールドローズとは

オールドローズの咲かせ方

オールドローズと一括りで呼ばれていますが、総称であり樹形や性質を表すものではありません。オールドローズはほとんどつるバラとして扱います。根拠は四季咲き性の無いことです。枝が伸びすぎない特徴を持ち合わせています。庭造りには絶対に欠かせぬ品種群です。

 

四季咲き性を持つオールドローズはチャイナ系の品種とその影響の強い品種群のみであります。四季咲き性を持つ分、枝は長く伸び難い特徴を持ちます。しかし、一部品種は咲きながら大きく成長し、小型アーチに最適な「四季咲きのアーチ」を作り出す事が出来る、その様な品種も含まれます。

一季咲きオールドローズ

四季咲き性を持たないオールドローズはつるバラとして使います。伸びすぎずコンパクトな樹形を持つ品種があり、スモールガーデンに適したつるバラだと思います。小型のアーチやトレリス、フェンスや壁面など、ほとんどのシーンで使える素材です。香り立つ春のお庭を演出するならこの品種群です。

 

どう活かすかがポイントとなります。一季咲品種はガリガ系やアルバ、モス、ケンティフォリアなど葉が繊細で特徴的に美しい品種があり、また剪定を必要としない程花付きの良い品種も有ります。特にスモールガーデンを高密度で飾る場合には適任であります。

 

枝の誘引が必要とするなら、なにか誘引の対象たる物が必要となります。建物やフェンス等に沿って植栽がなされていれば、麻ヒモで枝を結き形作ります。それに見る人の視点と誘引する枝の関係も大切。葉の美しさと花を満喫するには枝を視点より下に置く必要が有ります。香りを楽しむには顔を近づけられる、つま先の入る場所が必要とされます。

 

お庭の中で単独または密集状態で植栽されている場合は、メッシュフェンスやトレリス状のもの、アーチ等をアクセントとして用い、立体感を出す工夫をします。また、狭くとも人の歩く通路が必要です。通路の存在により、見る人の親密感を増幅させる効果が出るからです。バラを単独(一人ボッチ)で咲かせるより、人が傍に寄り添って咲く風景造りが肝要かと。

 

比較的枝を長く伸ばす品種もあります。風景を作るに優れた品種も有り、特定の品種にこだわる必要は有りません。花は咲けば何れも美しく、使いこなしのアイディアは花を眺める都度、新たな物となります。

 

「人間工学を」とは申しません。人と植物の位置関係を見直すことが新たな庭造りにつながります。眺めるより使って楽しめ、植物と友好関係を構築できる庭造りが目標です。

 

「人間、こだわりを持ったら終わりだ」と思うのは歳のせいでしょうか。バラを見て長所を活かして新たな美を創造することが、庭造りの面白さだと思います。眼前に見える風景のどこを手直ししたらどんな風景になるのか、美を見出す心理状態をコントロールする事が楽しくもあります。まぁ趣味ですから。

 

花の命は短くて、が惜しまれます。対策は量を多くすること。冬に強剪定を施せば花の質は向上します。ンが、花の量を減らす事にもなります。バランス感覚を持つことが大切です。

 

剪定の有り様はつるバラ一般と同じです。前年の開花枝に再び開花するか否かが冬剪定のポイントとなります。一季咲オールドローズは剪定の明確さにおいて非常に性質をつかみ難い事が、強い剪定に現れている様に感じます。本来多くの品種は無剪定で開花します。庭園内で効果的に開花させるには目的にあった剪定が必要と言うだけで、剪定せなあかんと強迫観念を抱く必要は有りません。

 

前年の開花枝を残して結果を見るか、シュートのみを残し開花させるかは、先例が無ければ判断し難いのが実情です。枝の誘引角度と枝先の太さで判断するしか方法はありません。しかし古い細い枝で開花する品種も有り判断は容易ではありません。結局は全ての枝にチャンスを与える事となるのです。

 

シュートや新しい枝は無剪定枝先下垂で開花は得られます。お庭では開花位置の調整が必要ですし、集約的に開花させる必要も生じます。咲かせたい位置へ枝を誘引した後、枝先の位置を剪定により決定します。

 

一度~数度開花した枝は多少切り込み枝先を太く強くして結果待ちをする事が、最も無難な方法と思います。やはり観察と経験則を身に付ける事が最も大切な事柄と思います。オールドローズの自然樹形を理解すると、使いこなしは格段に上達します。

 

そのためには人の手の入らない自然な状態の姿を観察することが知識を深める為の近道です。私はドイツはボーデン湖に浮かぶインゼルマイナウにあるバラ園に出かけ、野ばらの小道を観察しました。二十数年前のことです。世界で唯一無剪定で原種のバラを栽培する場所でした。樹形図のヒントはこの時の印象があったから出来た事です。

 

ドイツまで出向かなくとも今は十和田湖畔にある、『花鳥渓谷』で観察できます。インゼルマイナウのバラ園を範として作られた(規模は数倍、日本一の大きさです)野ばらの小路を持っています。下の写真は花鳥渓谷で撮影したものです。 自然な樹形を見られる国内唯一の小路です。※残念ながら現在閉園されています。

オールドローズの咲かせ方
オールドローズの咲かせ方

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