パイプアーチ 3 本を用いた作例

パイプアーチ 3 本を組み合わせつるバラの下でゆっくりと楽しめる空間を創出した作例です。

標準的な作例

標準的な作例

概要

パイプアーチ 3 本を正三角形が出来るように配置します。パイプアーチは地中に差込み、安定をさせます。パイプアーチの地中に入る足の間隔は 10cm 程度開けて設置しています。

 

パイプアーチ同士結び合わせる事はしていません。通常はつるバラの枝を誘引する事でパイプアーチの固定が出来ます。誘引方法は株元からの枝をアーチ上部へと上げ、長さのある枝はパイプアーチの足の部分3 箇所へ下ろします。上部の枝でパイプアーチのアールを基本線として枝で曲線を作り、組み合わせる事で曲面に仕上げていきます。

 

曲面は内側に造り外側の枝は多少ワイルドさがあって良いと思います。誘引した枝を同一面だけにすると表面積が少なく、花数が増え難くなります。多少空間を持った枝の誘引を心がけます。

 

下垂させた枝の寿命は一年。開花の後枝の伸長は殆んど無く、開花が済んだ後切除の対象となります。下垂させた枝は衰弱し易く、その分咲き方が柔らかな表情です。下垂させた枝は使い切るように考えておきます。翌年はアーチ上の枝を使う様にして下さい。

適性を持つ品種

枝を下垂させて開花の得られる品種が好ましく、ステム(開花枝)の短い品種を選んでください。繰返し咲きならステムの柔らかな品種。うつむく様な表情で咲く品種が的確な表現を持たらします。繰返し咲きでも一季咲でも適正があれば良く、先例が無くてもこの条件を満たす品種は使い易いと思います。

ガゼボ風にした作例

ガゼボ風にした作例

概要

パイプアーチ 3 本の組合せは下にテーブルと椅子を置くことを前提としています。つるバラの咲く下で楽しくお茶をして、食事をしたい。願望が生み出しました。

 

そのために周囲をメッシュフェンスで囲い場を特定しています。メッシュフェンスへはアーチ上部へ使う枝の残りを割り当てます。枝を水平に誘引し、花に囲われた場所造りをしています。メッシュフェンスとアーチの間はつるバラの枝を誘引し、包み込まれる様な雰囲気作りをして特別な空間としての演出をします。

適正を持つ品種

枝数の多く花付きの良い品種で、ステムは短く棘の少ない品種が理想です。一株で全て誘引できる程の品種は少なく、二種の組合せを前提に考えます。枝が長すぎても困り、オールドローズを組合せ風景を作る事がベストです。

 

群星は棘が無く株立ち状で枝数多く3m程の枝の伸びをします。一株で全てまかなえる品種です。ナローウォーターやキャメリアローズ、シャンプニーズピンククラスターなどが繰返し咲きの品種としては適正を持ちます。

ガゼボ風の作例

パイプアーチ 3 本を正三角形になるように配置します。入り口の部分を残し、メッシュフェンスで囲います。つるバラの枝が多い場合はこの様な作例が効果的です。メッシュフェンスは簡単に曲げることが出来ます。

 

写真のようにレンガなどを使いエッジをきれいに出すと、はっきりとしまった感じになります。エッジや円の中に敷く素材を変えて、違った雰囲気を作る楽しみもあります。テーブルセットを配置しバラの咲く下でゆっくりとお茶を楽しむことも。眺めるだけでなく、バラと共に過ごせる場所を作ってみて下さい。

テーブルと椅子を用いた作例

パイプアーチ 3 本を用いた作例

概要

庭とは創意工夫を凝らして楽しむ場所です。つるバラとパイプアーチの組み合わせは、単純なデザインであるが故に、組合みわせ次第で描き出せる世界が広く、表現手段としては多彩であるのです。

 

テーブルや椅子は高価なものでなくてもアイディア次第で心地よい空間を演出することができます。布地の柔らかさは庭での表現手段として非常に新しい感覚です。

 

生地や色、柄など多彩な素材を組み合わせる事により、固定された庭の雰囲気を一瞬で変化させる素材であると思います。その日の気温や陽光、風の気分を感じながら庭の演出をする事ができます。

パイプアーチ 3 本を用いた作例

後方にアール付きメッシュフェンスを配置し、囲まれるような感じに。

 

ベンチを用いた作例

ベンチを用いた作例

概要

テーブルと椅子の代わりにベンチを配置しました。間口を広くとってあるのでベンチもゆったりと配置できます。

 

日本でしか表現できないもの、日本人でしか作れない庭造りがしたいと思います。日本人の感性は非常に素晴らしいものがあると思うのです。

 

メッシュフェンスはアーチ上部へ使う枝の残りを割り当てます。枝を水平に誘引し、花に囲われた場所造りをしています。メッシュフェンスとアーチの間はつるバラの枝を誘引し、包み込まれるような雰囲気作りをして特別な空間としての演出をします。

ベンチを用いた作例

背中側にメッシュフェンスを配置して包み込まれるような感じに。

ベンチを用いた作例

既存つるバラ活用の作例

既存フェンス活用の作例

概要

どんな場面でも花と一緒になって楽しまなければ気が済まん性格ですから。これも人が下に入る事を前提とした事例です。手前にパイプアーチ 1 本。奥は 2 本のパイプアーチ、上部を交差させることで特有の線と空間の基点が作れます。

 

つるバラが育っていれば、長い枝を誘引して、天蓋のような曲面を描きながら姿を整えます。写真は展示会用で手前につるバラが入っています。お庭では後ろから手前に枝先を誘引するよう配置します。

 

下図は既存のフェンスの前に作った場合です。フェンスに誘引している枝の一部を使ってお茶のみスペースを作ってみてください。

適した品種

枝の柔らかな品種は曲面を描くときに枝が下がり、シッカリとした線を出しづらくなります。枝が硬く充実し易い品種が適しています。ツルアイスバーグの様に小枝が多く花付きの良い品種が適正を持ちますが、少し樹形が大型過ぎますのでもう少し小ぶりなツルサマースノーや春かすみ、繰返し咲きのキャメリアローズ等が適しています。

 

組合せを前提とするならノアゼット系の品種。他に枝が細く繊細な表現の出来る品種が好ましいように思います。

 

つるバラの庭造りは空間構成と考えて良いと思います。骨組みの作り方で空間に張力を発生させ、空間の密度を様々に変化させます。線の組合せで面ができ、面の組合せにより空間が作られます。

既存ツルバラ活用の例

既存のフェンスにパイプアーチを固定し、前にもう一本ゲートを作るように配置します。写真のようにベンチを置けば庭で過ごす時間が楽しくなります。

パイプアーチ 3 本を用いた作例

布は柔らかく物を包み、お庭で使うと非常に効果的です。 庭と布の組合せはこれからどんどん使われ、愛され拡がりを見せると思います。イスにクッションを使うとさらに効果的となります。その場に合わせた色と柄で様々に雰囲気を作ることが出来ます。


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